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- 0歳〜1歳
産後うつや腱鞘炎から学んだこと。抱っこは「する」?「しない」?
出産直後からの落ち込み
長男が生後3週間の頃。
私は体力・気力の限界を超え、「産後うつ」っぽくなっていました。
不妊治療してようやく授かった子で、産まれた瞬間までは幸福感がずっと続いていたのに、出産後にガクン。
極度の疲労が癒えないまま、終わりの見えない育児に突入した感じでした。
慣れない育児で、朦朧とした日々
当時は、オムツ替えすら、赤ちゃんの脚が折れそうでビクビク。
赤ちゃんが少し泣くだけでも、飛び起きてあやしたり授乳したり。
母乳の出が悪かったため、1回の授乳に時間がかかり頻回授乳の悪循環に陥っていました。
授乳が終わっても、すぐにまたゲップ、オムツ替え、着替えといったお世話をし、休む間もなくまた授乳の時間が来ます。
自分が寝るタイミングや食事をするタイミングがなかなかつかめず、私の意識はいつも朦朧。
抱っこのしすぎで、腕や背中、肩の痛みは積み重なるばかりでした。
「抱っこしなくていい」と言われて混乱!
そんななか、子どもの顔や頭に湿疹が!
近所の小児科を受診し、乳児脂漏性湿疹と診断されました。
処置の方法を教えてもらい安心していたところ、おじいちゃん先生からショックな一言が……。
「お母さん、あなたちょっと抱っこのしすぎだね。赤ちゃんは泣くのが仕事だから。泣かせてていいから、しばらく放っておきなさい」。
そんな話を聞いている側で、息子はギャンギャン泣くので、私は気が気ではありませんでした。
「こんなに泣いているのに放っておくの?」
「愛情をかけた方がいいって聞いたのに、抱っこしない方がいいの?」
当時の私は、本当に混乱しました。
「泣いたら抱っこ」の日々で、心身ともに不調に
当時の私には、「抱っこする」と「抱っこしない」の二択しかなかったので、混乱するのも当たり前だったと思います。
長男は寝付きが悪く、抱っこしないと寝てくれませんでした。
「抱っこしなくていい」と言われても、抱っこしなければずっと泣いています。
私は精神的に不安定になり、体調も崩しがちに。
さらに、手首は腱鞘炎になっていました。
次男出産前後から、徐々に落ち着く
そんななか、次男を妊娠。
長男の抱っこを控えるようになったため、徐々に手首や腕の痛みが軽くなっていきました。
そして、次男を出産。
次男の「抱っこ」はどうだったかというと……。
なんと、長男のときほど抱っこをしなくても、落ち着いてくれました。
「声掛け」で落ち着いてくれた次男
2歳になったばかりの長男の世話もあったため、次男を頻繁に抱っこしてあげられなかったのですが、そんなときに続けていたのが「声掛け」。
「おなかが空いたの? すぐに行くからね」
「なあに、お母さんここにいるよ」
「ほら、お兄ちゃんもいるよ。お兄ちゃんに遊んでもらおうね」
寝かせたまま手や足をさわって歌を歌ったり遊んだり、ベビーマッサージをしたり、抱っこできるときには抱っこしたり。
長男が赤ちゃんのときには、「静かにしなきゃ起きちゃう」というドキドキ感のもと、掃除や料理などほとんど何にもできずにモヤモヤしていましたが、次男のときには静けさとは無縁。
かまわず掃除機をかけたりもしていました。
大切だったのは、「安心感」だった
次男の育児が少し落ち着いたころ、子育てについての本を読み、勉強を始めました。
学んでいて気付いたこと。
それは、「抱っこをする、しない」という二択ではなく、「赤ちゃんにとっての安心感があるのか、ないのか」が大切だということです。
お世話をしている私が泣き止ませようと必死だったり、疲れていたり、泣きそうな顔をしていれば、たとえしょっちゅう抱っこしていても、赤ちゃんは不安だったことでしょう。
逆に、頻繁には抱っこできなくとも、笑顔を向けていれば赤ちゃんは安心してくれるということを、実感とともに理解できたのです。
赤ちゃんに安心感を与えるには、お世話する人が笑顔である必要があります。
赤ちゃんのお世話は大切ですが、赤ちゃんのためにも、お世話する人の心身が健やかであることが大事。
だからこそ、子育てを始めたばかりのパパ・ママには、周囲の理解とサポートが必要だと考えています。
ライタープロフィール
sachi /編集者、ライター。子育て、薬膳&漢方、心身の健康関連のコンテンツ作りが専門/「幸せな人生を歩める子に育てる、親の接し方や声掛け」「ママの心身の健康を守る知識(主に薬膳)」「家族を笑顔にするパパ向けの情報」の研究・情報提供などの活動をライフワークにしています。
noteで自身の子育てや薬膳などについて発信中
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