- 子育てニュース
- 4歳〜
平日の遊び相手は、友だちより母親!?
幼稚園や保育園に通う子どもたちの帰宅後の遊び相手が、「友だち」から「母親」に変化していると話題になったのは2000年頃から。
ベネッセ教育総合研究所が1995年から5年ごとに行っている「幼児の生活アンケート」調査が、その傾向を示唆しています。友だちと遊べないイマドキの子ども事情と、子どもの発育への影響を考えてみました。
※第5回「幼児の生活アンケート調査
http://berd.benesse.jp/up_images/research/press151125.pdf
少子化で同年代の子どもが周囲にいない?!
ベネッセ教育総合研究所が1995年から5年ごとに行っている「幼児の生活アンケート」、最新の第5回が、2015年の2月から3月にかけ首都圏に住む0歳から6歳(就学前)の乳幼児をもつ保護者約4000名を対象に行われました。このアンケート調査で幼稚園・保育園以外で「友だち」と遊ぶ幼児の割合は、1995年の56%から2015年は27%と半減、逆に母親はこの20年で55%から86%に増えたことが分かりました。
また、平日「友だち」と遊ぶ子ども(園児の場合は帰宅後)が減ったことに加え、子どもの友だち付き合いに力を入れる母親の割合もこの5年間でやや減少傾向にあるそうです。子どもは園以外では母親と遊び、母親が不在の時には父親が面倒を見るというケースが増え、親子の関わりが家庭に集中してきているとも、この調査はまとめています。
調査自体は首都圏で行われたものなので、地方では少し事情が違うかもしれませんが、少子化の影響で同年代の子どもが近所にいない、習い事が増え子ども同士で遊ぶ時間が少なくなっているなど、同じような傾向はあると考えられます。
調査で気にすべきは母親の孤立と閉そく感
子どもが友だちと遊ぶのは、成長過程において他人との関わりを学ぶ貴重な体験になります。だからといって無理矢理友だちを作って遊ばせたり、遠い場所まで出かけて行ったりすることも強引で、子どもにとってもあまり意味がないでしょう。幼稚園、保育園に通っている子どもであれば、そこで同年代と遊ぶ楽しさを満喫していることでしょうし、小学生になれば、また状況も大きく変わります。
子どもの地域の遊び相手が「友だち」から「母親」に変化しているという調査が話題になり、「近所に子どもの友だちがいません。いつも一人です」と心配されている母親がもしかしたらいるかもしれません。
これは、子どもと向き合って遊んであげていれば、全く問題はありません。相手が誰というよりも、自分とちゃんと遊んでくれる相手がいることが、子どもの発育には大切です。母親にしてみても、両手で甘えてくるのは、この時期しかないのですから、思いきり遊んであげましょう。
むしろ、この調査で気になるのは、母親のほうです。子どもが近くの友だちと一緒に遊ばないというのは、その友だちの家族と話しをしたりして地域の様子を知ることや、災害時などで困った時に頼ることができる同じような仲間がいないという、地域環境に対するデメリットがあります。現状では地域コミュニケ―ションでさえ、なかなか取りづらいということでしょう。
地域の活動やイベントに参加してみる
子どもの友だち付き合いに力を入れる親が減っているという調査結果は、他人と関りを持たない育児に、閉塞感を感じている母親が増えているということかもしれません。そういうことであれば、やはり母親には積極的に人や地域に関わってもらいたいと思います。
子どもの友だちという関係でなくとも、地域のコミュニティセンターなどで行われている子ども向けのイベントなどにちょっと勇気を出して参加するなど、外との関わりを持つと違った角度で子どもと接することができます。児童館はもちろんですが、図書館や美術館でも子ども向けの催しがあったりと、意外に身近なところに母子で参加できるイベントが開催されています。
子育てがもっと楽しく、子どもにとってもいい影響がでるような、環境を作っていきましょう。