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熱性けいれんは、10〜15人に1人は起こる!対処法と予防法を確認しよう
熱性けいれんとは、発熱時に起こるけいれんのこと。
「生後6カ月から6歳の乳幼児期」に、「38度以上の発熱、特に熱の上がりはじめ」に起こることが多いとされています。
まさか私の子供が…と思っているかもしれませんが、意外にもその発症率は高いのです。
日本人の子供には、10〜15人に1人という割合で起こり、欧米に比べると多くの子供が発症するといわれています。
また、親や兄弟に熱性けいれんの経験がある子供は、発症確率が他の子供に比べると高いということがわかっています。
突発性発疹、麻疹、インフルエンザなど、高熱が出る病気の時に、起こりやすいので注意が必要です。
熱性けいれんが起こったら、対処すべき6つのポイント
熱性けいれんが起こると、子供は目を上転し、両手足が硬直してブルブルと震え、時には嘔吐をして、その後に意識が無くなります。
通常は1~3分以内で症状が治まることがほとんどですが、その様相は、親にとっては衝撃的で、トラウマになるほど恐怖を感じる出来事です。
しかし、典型的な熱性けいれんであれば、発達の遅れなどの後遺症もほとんどないと言われています。
ですから、落ち着いて、次の6つの対処をすることが大切です。
1.何もしない
けいれんを止めようと手足を抑えたり、口の中にものを入れたり、大声で怒鳴ったりしてはいけません。
2.楽な姿勢にする
衣服やオムツをゆるくし、特に首の周りをゆるくします。
3.吐瀉物がのどに詰まらないようにする
吐きそうな様子を見せたら、体ごと横向きに寝かせ、吐いたものをそっと口の外にかき出します。
4.観察する
体温測定し、持続時間と様子(左右差、目の動き)を観察・記録します。
診察のときに、医師に説明できるようにします。
5.意識回復を確認
意識がはっきりするまでは、口から薬や飲み物を与えてはいけません。
6.救急車を呼ぶ
初めて熱性けいれんを起こしたときは、とにかく救急車を呼ぶか、すぐに病院に行くことをお勧めします。
また、けいれんが5~10分以上続いたり、意識が戻らない、痙攣が体の一部や手足の片方だけ、短い間隔で何度もけいれんを繰り返す場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
もう見たくない…熱性けいれんの予防法
熱性けいれんの再発率は約30%と言われています。
そして、2回起こした子供が、3回目以降を起こす確率はさらにその30%、つまり全体の約9%です。
ですから、多くの場合熱性けいれんは一生に1回で終わりますが、中には熱性けいれんを繰り返す子供もいます。
親にとっては、熱が出るたびにドキドキして、精神的にもとてもつらいものです。
そこで、そのような子供の熱性けいれんの予防法にはどのようなものがあるのか、ご紹介します。
一度熱性けいれんになった子供向けの代表的な予防法としては、ダイアップという、けいれんを抑える坐薬を発熱時に使用する方法があります。
ダイアップは商品名で、薬品名はジアゼパム。ダイアップは鎮静剤の一種で、脳の神経細胞の興奮を抑えてけいれんを起こしにくくします。
熱性けいれんは熱が上がる時に多いので、37.5℃程度の時にダイアップ坐薬を使用し、8時間後に発熱が続いている時には再度投与します。
これで通常は終了です。
まれに24時間後に再度投与することもありますが、この場合は、できるだけ医師に相談するようにしましょう。
ダイアップは熱を下げる効果はありませんので、熱を下げる坐薬を併用する場合は、30分以上間隔をあけて使いましょう。
また、基本的なことですが、
・予防接種を受ける
・風邪を引いたり熱が出たときは、早めに病院に行く
・熱性けいれんになったことを、かかりつけ医、薬局、保育園や幼稚園の先生などと共有しておく
・薬の飲み合わせなど、気になることがあれば遠慮なく医師に相談する
これらのことを、普段から心掛けておきましょう。
熱性けいれんと、その他のけいれんの違いは?
熱性けいれん以外にも、けいれんの原因には、てんかんや髄膜炎・頭部外傷による痙攣の可能性があります。
てんかんの可能性がある場合は、
・痙攣が起こる以前から発達の遅れがある
・痙攣が身体の一部にしか起こらない
・痙攣が15分以上続く
・両親や兄弟にてんかんの人がいる
などの特徴があります。
脳波をしらべるなどの検査もありますので、てんかんかな?と心配な場合は、すぐに医師に相談するようにしましょう。
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