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【離乳食】はちみつだけじゃない!赤ちゃんに食べさせてはいけない食べ物とは
2017年4月7日、東京都で生後6ヵ月の男児が蜂蜜が原因とされる「乳児ボツリヌス症」で死亡したと発表がありました。
乳児ボツリヌス症による死亡は、全国初めてのことです。
※参考※
食中毒の発生について~1歳未満の乳児にはちみつを与えないでください。~|東京都福祉保健局
どこでも手に入り、「体に良い食品」というイメージのあるはちみつが原因での死亡。
体の様々な部分が未発達の赤ちゃんは、大人が食べても問題ないもので命を落とすこともあるのです。
意外と知らない、食べさせてはいけない食べ物
改めて、赤ちゃんが食べてはいけない食べ物や、初めて食べるときに注意が必要な食べ物を確認しておきましょう。
はちみつ以外にもボツリヌス菌が含まれている食材がある!
今回乳児ボツリヌス症の原因になったのははちみつでしたが、それ以外にもボツリヌス菌が含まれている可能性のある食材があります。
1歳未満の赤ちゃんは腸内細菌叢が未発達で消化管が短く、ボツリヌス芽胞が腸管に届いて増殖しやすいため、ボツリヌス芽胞が含まれている可能性がある食材を与えてはいけないのです。
黒糖、黒蜜、きび砂糖は精製されていないので、ボツリヌス芽胞が混入している可能性が。
また、ハムやソーセージに使われている発色剤(亜硝酸Na)は、発色だけでなくボツリヌス菌の増殖を抑制する効果もあります。
無添加の食品は体に良さそうで子供にも与えたくなりますが、こうして危険から守ってくれる添加物もあることを覚えておきましょう。
ちなみに、乳児ボツリヌス症の原因となる「ボツリヌス芽胞(がほう)」を死滅させるには、100℃で6時間加熱する必要があるので、何でも「加熱すればOK」という考えは危険です。
※参考※
食中毒を起こす微生物 ボツリヌス菌|「食品衛生の窓」
素手で作っているものに注意!
人の手で加工されて時間がたった食べ物は、黄色ブドウ球菌が増殖している可能性があります。
黄色ブドウ球菌が出す毒素は、100℃20分の加熱でも分解されません。
酸素のない状態でも増えることができ、多少塩分があっても毒素をつくります。
東京都福祉保健局のHPでは、黄色ブドウ球菌による食中毒の予防方法として、以下の4つのポイントが紹介されています。
・手指などに切り傷や化膿している場所がある人は、食品に直接触れたり、調理をしたりしないこと。
・手指の洗浄・消毒を十分に行うこと。
・食品は10℃以下で保存し、菌が増えるのを防ぐこと
・調理にあたっては、帽子やマスクを着用すること。
※参考※
食中毒を起こす微生物 黄色ブドウ球菌|「食品衛生の窓」
カフェインが含まれている飲み物
赤ちゃんはカフェインを分解する能力が大人よりも低いので、紅茶、緑茶、烏龍茶、コーヒー牛乳なども、飲ませない方が良いとされています。
カフェインを摂取すると眠れなくなるので、赤ちゃん自身も疲れが取れずイライラしますし、夜泣きの原因にもなりお世話する側も大変です。
ノンカフェインのお茶を飲ませるようにしましょう。
ピーナッツなどのナッツ類
丸のままの形だと、飴などと同様「喉に詰まると危ないから」と、赤ちゃんに与えないよう注意しますよね。
でも、「細かく刻んであれば大丈夫」だと思っていませんか?
細かく刻んでも、気管支に入って手術で取り出すことになったり、肺炎を引き起こしたりと、かなり危険な食材です。
節分の豆なども注意です!
また、ピーナッツは重いアレルギー反応が出る場合もありますので、ピーナッツバターが入っているお菓子や、大人が食べこぼしたビーナッツの欠片などにも注意しましょう。
生肉、生魚、貝類、生卵など
なまものは食中毒になる可能性があるので、食べさせないようにしましょう。
初めての食材を食べさせるときのルール
赤ちゃんはどんなアレルギーを持っているかわかりません。
親や兄弟が大丈夫でも、アレルギー反応が出る場合もありますので、初めて食べさせるときには特に注意をしましょう!
食材は1種類づつ増やす
アレルギーが出る食材を特定するという意味を込めて、離乳食で食材を増やすときには一種類増やしていくように心掛けましょう。
以下の7品目は、特に注意してください。(加工品の場合、表示の義務があるため必ず表示されています)
▶卵、小麦、乳(乳製品)、えび、かに → 症例が多いため注意
▶そば、落花生(ピーナッツ) → 症状が重く命に関わるため、特に注意が必要
以下の20品目も、アレルギー反応が出る可能性があります。(加工品の場合、表示は義務ではなく推奨なので注意しましょう)
あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、 牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
初めての食材は少しずつあげる
赤ちゃんが欲しがるとついつい与えてしまいたくなりますが、初めて食べる食材の場合少量しか与えてはいけません。
もし初めて食べる食材にアレルギーがあった場合あげた量が多いだけ苦しむのは赤ちゃんです。
初めて食べる食べ物は少しだけで与え、様子を見るようにしましょう。
初めての食材を食べさせるときは、平日の午前中に
アレルギーというのは、症状がでるまで1~2時間ほどかかる場合もあります。
もしアレルギー症状が出て病院に連れて行くことも考えると、平日の午前中に試してみるのがいいでしょう。
苦しむのは赤ちゃんですので、早く治療してもらえるような体制を作っておくことが大切です。
加工品は何が入っているかをよく確認する
自分で調理した場合は何が入っているかわかりますが、加工品は意外なものが入っている可能性があります。
風味付けに、はちみつや黒糖が使われているかもしれません。
アレルギー食材だけでなく、何が入っているかを確認しましょう。
インターネットで食材について調べる場合
今では子育て情報について、インターネットで簡単に情報を入手できる時代になりました。
ただ気を付けてほしいのですが、インターネットには子育てに関する多くの情報や体験談があり、そしてその情報というのが必ずしもわが子に対して良い情報であるとは限らないというこです。
例えば、全くアレルギーのない子供を育てている場合は、アレルギーに対して「些細な問題ではない」といったことを前面に押し出す情報の書き方をされるでしょう。
逆にアレルギーを持つ子供を育てている場合は、アレルギーに対して「細心の注意を払うべき」ということを前面に押し出した情報を書かれることでしょう。
体験談はあくまで「書いた人の場合」です。
体調不良などの場合は安易に自分で判断せず、必ず病院へ行きましょう。
祖父母の世代の子育てと現代の子育て
様々な研究結果を踏まえ、子育て情報は日々更新されています。
そのため、祖父母世代の「子育ての常識」が、現代の「子育ての常識」と異なる場合があります。
例えば、最初に紹介した蜂蜜のボツリヌス菌の中毒症状について。
これは1987年に厚生省が一歳未満の乳児に蜂蜜を与えないように指導しています。
1987年と言えば今から約30年前ですので、自分たちの祖父母はこの情報を知らない可能性だってあります。
もし祖父母などの世代が離れている方に赤ちゃんを見てもらうときは、必ず現代の情報を元に「食べさせてはいけない食べ物」をよく伝え、何を食べさせているか把握しておきましょう。
また、世代を問わず、普段子供に縁がない人は「食べさせてはいけないもの」は知らないと思っておいた方がいいです。
当然、上の子のときは問題ないとされていたことも、最新の研究で問題が指摘されている場合もあります。
「自分は大丈夫」と思わず、常に最新の情報を確認するようにしましょう!
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