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デジタル絵本は、子どもの脳に悪影響を与えるのか?

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    ここ数年、子ども向けのデジタル絵本がバリエーションも豊富になり子育ての現場で急速に利用されるようになっています。

    スマホの普及がその要因のひとつだと思われますが、デジタル絵本はゲームと同様、子どもの脳に悪い影響を与える可能性があるということも懸念されています。まだまだデジタル絵本には、分からないこともたくさんですが、そんな新しい絵本のカタチを考えてみましょう。

    そもそもデジタル絵本とは何でしょうか?

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    ここでいうデジタル絵本は、一般に電子書籍と呼ばれているものです。しかし、この電子書籍という呼び方は、今の身近にあるデジタル絵本とは、少しそのイメージに違いがあるように感じます。電子書籍は、紙の本をそのままの状態でデジタル化しタブレットと呼ばれる専用端末で読むイメージです。小説など文字の多い本のデジタル化は電子書籍といっても差し支えありませんが、絵本の場合もうそのレベルを超え、ビデオやゲームに近くなっているからです。

    特に絵本は、これまでの平面的だった絵が立体になったり、動いたり、音が出たりと、デジタル化によって絵本全体の表現方法が、紙のそれとは全く違うものになります。

    同じタイトルの絵本でもデジタル化されると、その内容に作者や編集者が原書で意図したものと差異があったりします。表現方法が異なるのですから、紙で良いといわれた本が、デジタルでは評価されず、逆に反対になる絵本もあるでしょう。これまで良い絵本と呼ばれていても、よいと認められていたところをデジタル絵本ではどう扱われているか確認し再評価しなければなりません。

    このように、絵本のデジタル化は、原書とは全く違うという認識を、利用する側は持たなければなりません。それは、もしかしたら作る側も同様の課題かもしれません。紙の絵本のデジタル化はまだまだそんな状況の過渡期ですから、作る側、そして読む側にも、その変化に対応していく必要があります。

    依存性が高くなるタブレット端末の利用

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    一般的に、今のデジタル絵本の子どもへの提供は注意が必要だといわれています。タブレット端末に依存性があることは、すでにゲームやビデオなどでも指摘されているからで、たとえ、それが知育に役立つ内容だからといっても、依存性が高いものは、健全な子どもの育成に不向きな要素があると考えられます。

    また、0歳から3歳くらいまでの子どもに、デジタル絵本を与え、一人遊びをさせることも、子どもの発育段階でのリスクが高いといえます。人間同士の交流から、自我の芽生えるこの時期には、人の生の反応が大切なことはいうまでもありません。それがよい絵本だいわれていても、タブレット端末の反応だけが子どもの相手になっているとすれば、問題は非常に大きいと思います。

    後悔しないデジタル本の子育て3つのポイント

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    デジタル絵本とそれを読むタブレット端末の危険性を述べてきましたが、デジタルネイティブの世代になれば、環境ももっとよい方向へ変化していく可能性は高いでしょう。そして、そこからよりよい表現が突き詰められ、新しいタイプのデジタル絵本の誕生が期待できます。

    「子どもの本は紙」という子育て神話だけで、それらの可能性を封鎖することは、ナンセンス。紙よりもデジタルに向いている分野、例えば図鑑や音楽といった絵本は、新技術の開発で積極的にデジタル化され利用されることは望ましいことです。

    学校の教育現場は、ホワイトボードから電子黒板へ、教科書もこれまでの紙ではなくタブレット使ったデジタル教科書の導入を目指し、文部科学省による有識者検討会議が2015年5月から始まりました。早ければ小学校にはデジタル教科書が2020年度には導入されるといいます。

    世の中の流れとして、子どもがデジタル絵本に触れることは、もはや避けることはできません。また、デジタルネイティブの世代から、新しいクリエイティビティ溢れるデジタル絵本がこれからどんどん生まれてくるはずです。大事なのは、子どもの心と体の健全な発育とデジタル化したものとの、メリットとデメリットの関係を親と社会が知ることでしょう。

    子どもの成長に役立つといわれる、紙の絵本の役割のひとつに、親から子どもへの読み聞かせがあります。これは世代が変わっても、小さな子どもは、人の生の声で、感情の表現を学びます。デジタル絵本の場合、読み聞かせ機能がある音声付きのものが大半ですが、少なくとも0歳から3歳までの子どもには、録音された音声ではなく人間の生の声で読みあげることが、子育てでは好ましいと思います。

    また、飛び出したり、消えたりといったおもちゃ感覚に近いデジタル絵本は、ゲームと同じと考えたほうがよいでしょう。これも3歳までは一人遊びをさせず、大人のいうことが理解できる3歳以上の子どもを対象に、時間を制限して与えることをおすすめします。

    子どもの本に対する考え方やコンテンツの表現は、日々進歩しています。与える側も宣伝や溢れる情報にまどわされず、自分で判断できるよう知識を学ぶことが大切です。そして何よりも、機械を子どもの専用の子守り役にしないことが大原則です。

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